『仮面ライダー響鬼』の続編とかをいろいろ希望していくブログです。



スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

拍手・コメントも大歓迎です!→拍手する 

| - | | - | - |
響鬼の主題はゆらいでいたのか〜「響鬼の事情」を読んで
 多くのファンに様々な感慨を呼び起こした「仮面ライダー響鬼の事情」が発売されて、約1ヶ月が経ちました。番組の放映が終了して一年4ヶ月あまりになりますが、今でもこうして各所で話題になるところに、響鬼という作品が持っていたポテンシャルの高さを思い知る心地です。

 さて、我々NHPのスタッフも、この「仮面ライダー響鬼の事情」という本を発売とほぼ同時に購入し、それぞれ色々な思いを持って読んでおります。これだけの内容のある本を、ただ読んだだけで終わらすのは勿体ない!ということで、普段あまりやらない「討論会」みたいなものをスタッフ間で開き、その内容をブログで大公開することにしちゃいました!
 以下にお示しするのは、シナリオ無しのマジバトル(笑)です。とは言っても、「意見を闘わせること」が目的なのではなく、それぞれが思ったことを素直に(ただし一定の節度を持って)ぶつけ合っているだけなんですけどね。そういう意見の交わし合いの中から、読まれた方が新たな意見や感想を持つようになり、結果として「響鬼」という作品を考え直す良い機会になれば、と考えております。

 このやり取りを進めるに先立って事前に示し合わせたのは、あまり個々の発言が長くなりすぎないように、という程度の簡単なルールぐらい。途中も、「あと×発言ぐらいで記事にしましょうか」というぐらいのやり取りが外でなされているくらいです。そのため、発言間の受け方が微妙にすれ違っていたり、上手くかみ合いにくくなっている部分も散見されますが、そんな部分も含めて無修正の臨場感(笑)みたいなものを味わって頂ければ幸いです。

 では、ごゆっくりお楽しみ下さい!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

てりぃ:
ようやく読み終わって、色々な感想が頭の中を渦巻いていますが、論点を絞ってお話ししましょう。「響鬼の主題はゆらいでいたのか」という点について書いてみます。

「番組づくりを通してやりたいことが高寺氏自身の中に残っていなかった」との記載が最後の方に出てきます。そして、それが実際に放映された映像の細部のゆらぎ〜思いつきで終わったとされる諸々のもの〜に繋がったという主張ですね。

「結局要らなかったのでは」という部分があるのはわかります。しかし私としては、それによって作品構造自体がブレた、とまでは感じられなかったんですね。もちろん、高寺氏のモチベーションの有無については、私にはそれ以上判断する材料がありません。でも、高寺氏でなくともいいです、誰一人「ヒビキと明日夢の物語にしよう」と思うこと無しに、あの方向は保てなかったはずだと思うのです。

あの作品を「大人と少年の物語」として捉えるならば、その主題についてはあまりぶれていないのではないか、というのが私の考えです。


翠:
翠です。「事情」を読むことによって、響鬼という作品が抱えている問題点を冷静に見つめなおすことが出来た気がします。

「主題が揺らいでいたか?」という問いに対して、僕は「主題が定まっていても、それを効果的に描けていなかったのではないか」と答えます。
明日夢がヒビキさんと出会うことにより、成長していくという「大人と少年の物語」としては、ほぼ揺らぎなく描けていたのかもしれません。
ですが、それが明日夢と響鬼(変身後)の関係として……つまり「変身する大人と少年の物語」考えてみると、効果的に描けていたとは言えないと思います。

明日夢の成長に対して「ヒビキさんが鬼に変身する必要性」は少ないような気がします。
放送された『響鬼』では、たとえばヒビキさんが「命を賭けて人を守る」警察官など、一般の職業でも成立すると思います。
ヒーロー番組として制作されたのですから、明日夢の成長と、「変身の必要性」が密に絡んでいたほうがいいのではないでしょうか?


ツバサ:
(A)「大人と少年の物語」
(B)「変身特撮ヒーロー」
響鬼の中に、この微妙に相いれない二つの主題が存在する…というのが結局問題なのかと。
(A)重視の視点で見れば、てりいさんの意見に近くなるし、(B)重視で見れば、翠さんの意見的になるような。
この二つを一番うまくミックスして表現できるのが、著者の片岡さんが本で主張してらっしゃる「明日夢の弟子入り」だったのでしょう。
それは確かにその通り。見事に整合性がとれますから。
その世界は世界でもう一つの可能性として純粋に見てみたかったとは思います。

ただ同時にこんな思いも。

あまりにキチンと収まりがよすぎる。

不思議に思うのが、このいいアイデアをなぜ高寺Pが捨て去ってしまったかということです。
この謎をとくカギが、てりいさんが指摘された

「番組づくりを通してやりたいことが高寺氏自身の中に残っていなかった」

ということだと思います。
これを書いた片岡さんは、弟子入り路線を模索していたころの高寺さんしかご存じないんですよね?


てりぃ:
極端な意見かもしれませんが、私個人はジャンルに対するこだわりが割と希薄なんです。「特撮」であろうと「アニメ」であろうと「青春ドラマ」であろうと。そこに共感できるものが描かれていれば、枠組みはなんだって構いません。その立場からすると、「変身ヒーロー」ということにもあまり執着がないんです。もちろん、そういう立場の方もたくさんおられると思いますけれど。

ツバサさんの言われた「片岡さん→高寺さんの認識」中にも、似た部分があるかもしれません。また、放映当時に多く見られた、響鬼の有り様に対するやや懐疑的な意見にも。そこでは「(特撮として)イマイチ」という意見が多かったように記憶しているのですが、私はむしろ「特撮じゃないところで勝負しようとしている」ところに惹かれたんですね。


翠:
僕もジャンルに対するこだわりはありません。「特撮だから」のお約束は必ずしも要らないと思います。ですが、戦闘シーンを描く以上、そこに物語的な意味があるべきと思います。戦闘を描かなくても物語が成立するならば、戦闘に商品宣伝以上の価値がなくなってしまいます。

…とは言いつつも、「特撮でありながら、特撮でないところを魅力的に描いた」ことが好きなのは確かです。そこが響鬼を評価する上で難しいところでしょうか。


ツバサ:
>てりいさん「特撮じゃないところで勝負しようとしている」
>翠さん「特撮でありながら、特撮でないところを魅力的に描いた」

私もすごく同感です。
また、その部分が響鬼の主題を考える上でかなり重要なことだと思ってます。

「大人と少年の物語」「変身特撮ヒーロー」

この二つとは別に、もう一つの主題として

「特撮ではないところを描く」

これが高寺Pの脳裏にあったのではないかと。
ストーリー的主題ではなく、クリエイターとしての主題ということになりますが、そういう風に仮定すると、
・弟子入りの件
・高寺Pのモチベーションの問題
などが明快に説明づけられるような気がするんです。


てりぃ:
片岡さんの書かれた文章に視点を戻しますと、「どのように新たな特撮作品を生み出そうか」ということを、非常に真摯に考えておられたのだなぁと思います。数々のアイディアにしてもそうですし、それらを「有機的な繋がりを持ったもの、一つのパッケージ感を持つもの」にまで昇華しようというその熱意には脱帽するばかりです。

ただ、その思いが、恐らくは高寺さんの思いとは必ずしも重なっていなかったのでしょう。そのことを、片岡さんご自身が「ジュブナイルに対する見解の相違」という言葉で触れておられます。

片岡さんと高寺さんの思いが重なっていれば、片岡さんが腐心した方向性がより大きく実ったような、全く違ったものが見られたと思います。それはそれで「新たなヒーローの創出」という偉業に繋がったでしょう。しかし、現実はその様には進まず、結果的に片岡さんの思い描いたのとは異なる方向に作品は進みました。

それは、片岡さんにとっては「ゆらぎ」以外の何物でもありません。ですが、高寺さんにとってはどうだったのでしょうか。今となってはもう答えを聞くことの出来ない問いですが、この問いへの答えを聞かない限り、「本当に響鬼の主題はゆらいでいたのか」という問題に答えは出せないと思うのですよ。


翠:
確かに自分でも魅力的だと言った部分ですが、「特撮でない部分」を強調しすぎたための『失敗』(玩具の商業的な失敗)もあったのではないでしょうか?

良い悪いは別として、番組にはスポンサーの意向が反映されますし、プロデューサーはスポンサーの意向を反映するべきでしょう。音撃をもっと魅力的に描いていれば、ベルトなどの玩具も、もっと売れていたかもしれません。

そういう意味では、高寺プロデューサーが描いていた「響鬼」は、微妙にテーマが乖離していたのではないかと思います。

「大人と少年の物語」「特撮でない部分の魅力」と「特撮ヒーロー」というテーマがそれぞれ、反発とは言わないまでも、互いに混乱させていたといえるのではないでしょうか?作品を統一されたパッケージで「商品」としてまとめることができなかったのではないでしょうか?

もちろん、高寺プロデューサー本人の口から語られなければわからないことではありますが、放送された作品を見た上で、僕たちは議論しなければいけないと思います。


てりぃ:
高寺プロデューサ由来の「特撮でない部分の強調」があったとして、それが「玩具の商業的な成功には結びついていない」ことには私も同意します。ですが、それは「作品と商業部分との連携が仕組みとして上手く機能していない」ことの説明にはなりえても、「作品のテーマ自体」が揺らいでいることの証左としては弱いと、私は考えます。

もちろん「付随する商業的な部分までワンセットで作品の出来を捉えるべき」という立場に立てば、そのように考えることも可能です。でも、私にはそれらは別の問題のように思うのですよ。一般論として、商業的に成功しなかった作品の全てが、作品の骨格自体に問題を抱えているわけではないと思います。同様に、響鬼について商業的な問題があったのだとしても、そのことと「作品のテーマのゆらぎ」とは慎重に分けて考えるべきだと思うのです。

「高寺プロデューサが推し進めようとしてた作品のテーマにかかる意向が、関連商品の売り上げに結びついていない(ように見える)」ことと、「高寺プロデューサが思い描いたテーマが、作品内に十分定着していないのではないか」ということは、分けて議論すべきだと思います。もちろん、今挙げた2つの文章自体の正誤自体も議論すべきですしね。

ちょっと長くなりますが、高寺プロデューサ自身の口から聞けるものがないことについても補足しますね。今回の片岡さんの本は、制作に実際に関わった方のナマの声ですから、それだけで非常に貴重な資料であることは疑いありません。ですが、それがあくまで「関わった一人の方の声」に留まることも、僕らは肝に銘じておく必要があると思うのですよ。高寺さんの声にしてもそうですが、他にも制作に関わった多くの方の声が存在すること、それらの意見がひょっとしたらこの本の示すものとは一致しない可能性があることを、忘れてはならないと思うのです。この本は「非常に得難い貴重な資料」ではあっても、「全ての真実をもたらすもの」ではないのです。

片岡さんご自身もまえがきで触れられていますが、そのお立場は非常に微妙なものであり、ともすれば「制作者の代表」という風に無意識に思ってしまいがちです。その陥穽にはまらぬよう、気をつけて臨みたい、というのが、先の発言のバックボーンです。


ツバサ:
巻きの指示(^-^)がはいったので、いったん自分の意見をまとめてみます。

翠さんの仰る作品テーマと商業性の件は非常に興味深いので最後にちょっとふれますが、まずは作品内容のみを検討ということで。

まず響鬼の主題がゆらいでいたかどうかを語る前に、その主題がなんだったのかを考えますと…

高寺Pの考えは
「ヒーロー(非日常の存在)との交流を通じて、”日常世界”で成長していく少年という今まで特撮で描かれなかった姿を描く」
ということだったと推測します。

弟子入り却下の理由は、ヒーロー=非日常の側に少年を呼び寄せたくなかった。あくまでヒーローの姿を見て、自分の世界でがんばる少年を描きたかったのではないかと。(そしてそれは視聴者の子供たちへの思いの投影でもある)

それは、必然的にヒーローの世界と少年の日常が同格的に描かれるという点ではなはだチャレンジングではありますが、非常に新奇的であり、「完全新生」を提唱していた高寺Pのモチベーションを高めるモチーフだったのではないかと思います。(クウガでの雄介とわかば幼稚園の園児の交流、あそこらへんにもこの発想の萌芽があるような気が)

その高寺Pの挑戦は、残念ながら商業的には全面的な成功とはいいがたいものでした。高寺Pの「子供は予想以上に保守的だった」という言葉からもそれはうかがえます。

また特撮ヒーローものとしての主題でも、響鬼はゆらぎっぱなしですが、その「今までに描かれなった世界を描く」という観点から見ると、主題はゆらがなかったのではないでしょうか。ゆらがせたくなかったゆえ、29話で高寺Pは身を引いた…ということなのかと。


翠:
商業的な問題について話題になっているようなので、主旨とはズレますが、そこについて少し詳しく意見を述べます。

僕は個人的に特撮の玩具が好きで、今でも集めている人間です。玩具が手元にあることで、特撮の世界にのめりこめる、という楽しさがあります。いい玩具に出会えた時の喜びは表現できないほどです。

では「いい玩具」とは何かを考えると……「劇中と同じもの」ということかと思います。そういった意味においては、響鬼は「いい玩具」が提供されていたと思います。ディスクアニマルなど、デザイン的にもかなり価値の高いアイテムですし、音叉などの完成度も高いです。しかし、それが劇中で大きな活躍が描けていたかというと、若干の疑問も残ります。

つまり、「これを持てば響鬼と同じになれる」という幻想を明確に売ることができなかったのではないかと思います。確かにそういった部分は人によっては不要の部分であり、場合によってはコマーシャリズムと謗りを受ける部分でもあります。しかし『保守的だった』子どもも含めた玩具ファンにとってみれば、作品世界に没頭するための手軽なアイテムとして、玩具はかなり重要な位置を占めます。「これが欲しい」と思わせる特撮番組とはそれだけ「このヒーローになりたい」と思わせるということではないでしょうか。

そういった意味で「響鬼」が『ヒーローになる』というテーマでなく『ヒーローがそばにいる』というテーマで商業的な失敗を迎えているというのは示唆的ではないでしょうか。

もちろん、「そばにいる」ということにこそ魅力を感じるという部分もありますし「ヒビキさんのようになりたい」とは感じます。ですが、『作品ファン』としてでなく『玩具ファン』としての立場で意見をまとめるとすれば、もっと『響鬼(変身後)になりたい』と思わせる作品作りをして欲しかったと思います。


ツバサ:
翠さんのご意見から”大人目線”と”子供目線”ということを考えてしまいました。

私が一つ前のレスで書いた主題は、かなり大人の目線からのもののように思えます。
大人が思う”こう成長してほしい少年像”。

それが、私たちをもふくむ(特に親世代)の大人の共感を呼んだと思うのですが、あくまでスーパーヒーロータイム枠ということを考えると、子供側からの視点で、面白い要素・燃える要素といったものが乏しいのは確かだと思います。(この点では翠さんのご意見に賛成です)

この二つをうまくおそらくミックスできるのが、片岡さんの提唱した弟子入り路線だったんでしょうけど、もしそれが実現したとして、ヒーロー番組としてはうまくまとまったんでしょうが、その出来上がったものが気にいるかどうかはまた別の話。

今私たちが、現在こだわる響鬼とは別物になっただろう…という気が強くするんですよね。
(もちろん、失われた”もう一つの響鬼の物語”として見てみたいとは思いますが(^-^))


翠:
ツバサさんのおっしゃる通り、弟子入りなどを扱って特撮ヒーローものとして強く打ち出された響鬼は、「現在こだわる響鬼とは別物」になる可能性が高いですね。

純粋な好奇心としては、それも見てみたい気がしますが、しかし別物になってしまうと寂しいと思います。
「響鬼で面白かった点」と「(片岡さんの述べているように)響鬼を変えたらもっと面白かった点」と「変えてしまったら面白くなくなる点」が微妙に交錯しているのが、問題が厄介になる原因なのだと思います。
難しい、と問題を投げてしまうのは嫌なのですが、難しい問題です。

……こういうことを考えていると、作品作りをしている人たちは、この何倍も試行錯誤をしながらやっているだろうと実感できて、尊敬の念を抱かざるを得ません。

(つづく)

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

盛り上がってきたところなのですが、当初思っていたよりも議論がヒートアップしてきてしまい、かなりの長丁場に突入してしまったため、今回はここまでと致します。続く内容もこのブログでご紹介して参りますので、どうぞお楽しみに!

※続きはこちらからどうぞ(07/06/10)

拍手・コメントも大歓迎です!→拍手する 

| スタッフ裏話 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
拍手・コメントも大歓迎です!→拍手する 

| - | 20:00 | - | - |
コメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://next2hibiki.jugem.jp/trackback/69

トラックバック
【響鬼】ブログ最新記事
▼すべて表示
generated by レビュー・ポスター
RECENT ENTRIES
CATEGORIES
LINKS
ARCHIVES
RECENT COMMENTS
  • NHP定期更新終了。今まで皆さんありがとう!そして最後に…
    桜井課長 (05/03)
  • 『平成仮面ライダー大共闘映画』企画書を考えてみました。
    (03/07)
  • 高寺P新作『大魔神カノン』と響鬼の共通点を考えてみた。
    simmmons (02/08)
  • 高寺P新作『大魔神カノン』と響鬼の共通点を考えてみた。
    桜井課長 (11/14)
  • 「平成ライダーオリジナルキャストを熱望する!inディケイド劇場版」本部ページ
    バイク乗り (09/17)
  • 「平成ライダーオリジナルキャストを熱望する!inディケイド劇場版」本部ページ
    カバナイ (09/02)
  • 「平成ライダーオリジナルキャストを熱望する!inディケイド劇場版」本部ページ
    加藤鷲 (07/28)
  • 「平成ライダーオリジナルキャストを熱望する!inディケイド劇場版」本部ページ
    クウガ555 (07/24)
  • 「平成ライダーオリジナルキャストを熱望する!inディケイド劇場版」本部ページ
    イムラ (07/01)
  • 「平成ライダーオリジナルキャストを熱望する!inディケイド劇場版」本部ページ
    安藤龍 (06/03)

RECENT TRACKBACK

RECOMMEND
PROFILE